ブラックリストに載るとどうなるか。
ブラックリストに載ると新たにクレジットカードが作れなくなったり、ローンを組んで商品を購入することができなくなります。
よく、ブラックリストに載った事実が住民票や戸籍に記載されるのではないか、国民健康保険や民間の生命保険に加入できなくなるのではないか、国民年金の支払いがされなくなるのではないか、などと質問されますがそんなことはありません。
なお、賃貸契約にも影響はありませんがクレジットカードを利用して家賃を支払う必要がある場合は、新規の賃貸契約が締結できない可能性はあります。
また、すでに組んでいる自動車ローンは、そのローンの支払いが滞らない限り、たとえブラックリストに載っても自動車がローン会社に引き揚げられることはありません。
このようにブラックリストに載るとお金が借りられなくなったり、カードを利用することはできなくなりますが、それ以外の日常生活にはほとんど影響はありません。
では、負債が残っている債権者に対して過払い金返還請求をするとブラックリストに載ってしまうのでしょうか。
この場合はブラックリストに載ってしまいます。
通常、過払い金返還請求手続きは債務整理の一環としておこなわれますが、現在の信用情報機関の取扱いでは、債権者から開示された取引履歴を利息制限法で引直計算した結果、すでに過払いになっていることが判明しても債務者が返済の途中で、弁護士や司法書士が介入して過払い金返還請求をした以上は「債務整理」・「延滞」・「契約見直し」情報が登録されてしまいます。
しかし、過払い金が発生しているのであれば、法律上は債務者に支払義務がないことは明らかなので本来であれば「完済」扱いにするべきといえます。
これは納得がいかないところではありますが、現在の信用情報機関の取扱いではブラックリストに載ってしまうのが現実です。
完済とブラックリスト
完済をした債権者に対して過払い金返還請求をしてもブラックリストに載ってしまうのでしょうか。
この場合はブラックリストに載りません。
すでに契約が終了している貸金業者に対する過払い金返還請求であれば、そもそも登録すべき情報項目がないからです。
ただし、完済しただけの場合は注意が必要です。
なぜなら、完済しただけではその債権者との包括契約自体は終了していないからです。
たとえば、クレジットカードのキャッシングでは単に残高が0円になっても、包括契約が終了していない限りは新たな借入れが可能です。
よって、単に完済するだけではなく、カード会社に対して包括契約自体を解除したいと伝え、カードも返却した方が安全といえます(これはサラ金も同様です)。
また、貸金業者から信用情報機関に対する契約の終了情報の通知は通常、1か月にまとめて1度するだけなので、
過払い金返還請求をするのであれば完済してから1か月以上経ってからがよいでしょう。
完済と過払い請求
過払い金返還請求の時効は、完済から10年です。
つまり、借金を完済して10年以内の方は、消費者金融・信販会社から、お金を取り戻せます。
あなたの金利は何%でしたか?
法律で認められている(利息制限法)の上限金利は、既述のとおりです。
「この金利以上だった」という方、過払い金を取り戻せます。
昨今の貸金業者は、過払い金の返還により著しい経営不振に陥っています。
それを象徴する出来事が、平成19年9月に起こりました。
東証1部に上場していた株式会社クレディアが、過払い金の返還に窮し、東京地方裁判所に民事再生の申立てをしたのです。
中小の貸金業者の倒産は、もはや珍しくもありません。
他の大手消費者金融・信販会社も、いつ経営破綻してもおかしくはないでしょう。
そして、倒産してしまった会社からは、過払い金を取り戻すことは出来ません。
「権利はあっても行使できない」
近い将来、過払い金を取り戻せなくなる時期が来てしまうかもしれません。
しかし・・・、
貸金業者の経営体力が残っている今なら、まだ過払い金は取り戻せます。