過払い返還請求に伴う最大の敵は「時効」といって過言ではないでしょう。
時効期間が経過していれば過払い返還請求をすることはたちまち困難となります。
過払い返還請求権の時効は何年だと思われますか?
過払い返還請求権は、いわば「不当利得返還請求権」(民法703条、704条)となります。
そして、この不当利得返還請求権の消滅時効期間は10年なのです(最高裁昭和55年1月24日判決)。 次に、
時効がいつから進行するかが重要な問題になります。 つまり、
過払い金返還請求権の消滅時効は10年ですが、それがいつから進行するのかが問題となります。
法律上、このような消滅時効の進行が始まる時点のことを起算点といいます。
時効について今までは、取引終了時から進行するという「取引終了時説」と、それぞれの過払い金返還請求権は返済の時点から10年を経過するごとに順次時効により消滅するという「個別進行説」が対立していました。
しかし、平成21年に過払い金返還請求権の消滅時効は取引終了時から進行するという最高裁判例が相次いで出たことにより決着しました(最高裁平成21年1月22日判決、同年3月3日判決、同年3月6日判決)。
完済しても継続して取引を続けている利用者にとっては有利な判決が出たと言えます。
では、たとえば、平成13年に完済した分の過払い金は今からでも回収できるのでしょうか。
時効をどのように計算するのでしょう。答えは、
過払い金返還請求権の消滅時効は取引終了時から10年なので、平成13年に取引が終了したのであれば平成23年までは過払い返還請求が可能となります。
しかし、取引終了時点が平成13年ではなく平成10年の場合は、取引終了からすでに10年が経過していますので消滅時効にかかります。
あなたの過払い金は時効にかかっていませんか?